蚯蚓出
日本には、季節の移り変わりを四つに分けた四季、さらに一つの季節を六つに分けた二十四節季(ニジュウシセッキ)、さらに細かく分けた七十二候(シチジュウニコウ)があります。
あらためて、皆さんは題名の「蚯蚓出」が読めましたか?
これは七十二候の「みみずいずる」と読み、”五月半ばの初夏の気候”をさします。
昔は気象衛星なんてありませんので、植物や動物の成長、景色の小さな変化を細かく観察して生活してきたのです。凄いですよね。
私たちは日々忙しく生活していて、季節の変化に気付かないことが多々あります。
昨日まで咲いていなかった花が咲いていたり、日々新緑が濃くなってきたり、去年と同じ場所に燕が巣をつくっていたり・・・
先達の言葉に「忙中に閑あり」とあります。
”忙しい時にこそ、心に暇を持ちなさい”という意味ですが、間違えてはいけないのが、何もやることがない暇ではなく、心穏やかなる暇(心にゆとりを持つこと)です。
少し足をとめて、”自分自身と向き合う暇”をつくってみましょう。
決して自分一人で生きているのではなく、たくさんの人たち、動物たちのおかげで今の自分がいる、「生かされている」ということに気付くはずです。
「人生二度となし」
一度きりの人生を、より良いものにしていただけたら幸いです。
板東一堂 合掌
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