『意外と私は私のいう事をきかない』
まだ紅葉が少し残りますが、師走の様相がだんだんと、つまりはなんだか忙しい頃合いですが、皆さまどうお過ごしでしょうか
個人的には、めんどうだなーと思いながら雑事をこなす日々でございます。
さてさて、本題でございますが、この文章を見ているおそらくほとんどの方が、自らの右手が自分の意志とは関係なく動き出したり、ポーズをとったりしたら驚かれると思います。肉体のコントロールができない、ということは異常事態そのものでしょう。
ただ自分をコントロールできないという異常事態は、脳内に限っては日常的に起こっているのではないでしょうか。
ある事象に対して、人間は怒ってみたり喜んでみたり感情の起伏を経験します。同じ事象でも本人の精神状況次第でポジティヴにもネガティヴにも捉え方が違ったりもしますね。
正しいとわかっているのに、間違っているとわかっているのに、行動を意思の通りに行うということは難しい。
この問題に、坐禅はアプローチの方法として有効です。
坐禅を行ずることで、感情や思考に手をつけない感覚を体験することができると思います。
いままで「私」と思い込んでいたものが、一概に「私」であるとは言い切れない感覚。そんな不思議な感覚をぜひ坐禅を通して、味わっていただけたらと存じます。
慈恵院僧侶 裕恵
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